「神無月/神在月」:その意味と起源について

生活

10月には「神無月」とも呼ばれていますが、この名称の背景にある意味や歴史についてご存知でしょうか?

この期間、特定の地域では「神在月」として知られ、年に一度の神聖な儀式が執り行われています。

この記事では、これら「神無月/神在月」の呼び名の起源、伝統的な神話に迫ります。

最後までお読みいただければ幸いです。

初めに、神無月または神在月として知られるこの時期の名称の起源、神秘的な意味、そして具体的な期間について詳述します。

神奈月の名称の起源

「神無月(かんなづき)」及び「神在月(かみありづき)」は、旧暦10月の日本的な呼び方です。

現代のグレゴリオ暦では10月として知られていますが、伝統的な神無月や神在月は実際には11月頃に相当します。

この時期は「全国の八百万の神々が島根県の出雲大社に集まる」とされており、そのため島根県では「神在月」と呼ばれ、それ以外の地域では「神無月」と称されることが一般的です。

「神無月」は「神の月」という意味だったのか?

神奈月の名前の意味は、以下の4つが支持されております。

  1. 出雲に神々が集まるため、他の地域では神が不在とされ「神のいない月=神無月」。
  2. 収穫した五穀を神々に感謝して捧げる月、「神の感謝の月(かむなづき)=神無月」。
  3. 雷が鳴らないことから名付けられた「雷のない月=神無月」。
  4. 新穀からお酒を醸す月、「醸成月(かみなしづき)=神無月」。

これらの説はどれも一部で支持されており、正確な起源については明らかになっていません。

特に1番目と2番目の解釈は広く知られており、どちらも神々が集まる重要な時間を意味しています。

出雲で集う神々と留守を守る神々について

島根県以外で「神無月」として知られるこの時期に、出雲大社以外での参拝が意味がないかと心配されることもありますが、そうではありません。

実は、出雲に参加しない神様や留守番をしてくれる神様が存在します。

たとえば、七福神の一員であり漁業の守護神である恵比寿様は、他の神様が出雲に向かっている間、留守を守る重要な役割を果たしています。

同様に、金比羅様、道祖様、かまどの神様も留守番としての役割を担っています。

出雲に集う神様は特定のグループに限られる

天界の高天原に住む「天津神(あまつのかみ)」と、地上の山や川に住む「国津神(くにつかみ)」の二つのグループが存在しますが、出雲の神議に参加するのは国津神のみです。

そのため、天津神を祀る神社では通常通り神様がおられます。

参加しない主な神様たち

伊勢神宮:


天照大御神(あまてらすおおみかみ)

住吉大社:


住吉大神=底筒男命(そこつつのおのみこと)

多賀大社:


伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)
伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)

宗像大社:


田心姫神(たごりひめのかみ)
湍津姫神(たつぎひめのかみ)
市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)

しっかりと、留守を預かっていますので安心して下さい。

神無月/神在月の伝説

神無月/神在月にまつわる伝承は非常に古く、私たちの祖先の時代から語り継がれてきたものです。

ここではその伝説と起源に焦点を当てて解説します。

特に、神無月/神在月に関する最も古い記録とされるのは、平安時代に書かれた「奥義妙」です。

その後も複数の古文書にこの時期に関する言及が見られます。

出雲大社に神々が集結する理由

「神々が出雲に集まる理由」としては、縁結び、酒造り、奉公、里帰りなど、さまざまな理由が語られていますが、最も広く認識されている説は以下の通りです。

出雲大社を治める大国主大神は、多くの子どもたちを持ち、彼らを日本各地に配置し、国の統治を任せていました。

これらの子供たちは年に一度、出雲大社に帰って父親や他の神々に年間の成果を報告し、次年度の計画を相談します。

この習慣が始まったことで、他の神々も出雲で集まるようになりました。

大国主大神とは?

出雲大社に祀られている大国主大神は、出雲国の創建者として、また国津神の主神として知られています。

彼は八岐大蛇を退治した素戔嗚の末裔であり、因幡の白兎を救ったことで知られる慈悲深い神様です。

素戔嗚から課された試練を乗り越え、出雲の支配者となった彼は、恋愛に関する伝説を各地に残し、「縁結びの神」としても深く信仰されています。

注目! 神々の出雲への年次出張プラン

10月に入ると、日本全国から神様たちが出雲大社へと出張する時期がやってきます。彼らの年間スケジュールを詳しく見てみましょう。

⚫︎10月1日:神様の送り出し

出雲への旅立ちの日。家庭では、旅立ちを祝ってお餅やお赤飯を神様へお供えします。

⚫︎10月10日:神様の迎え

出雲の国、稲佐の浜にて神様を迎え、出雲大社に向かいます。

⚫︎10月11日〜17日:神在祭

この期間、出雲大社で神議(かみはかり)と称される重要な会議が行われます。

上宮での祭りとともに、境内の19社では毎日様々な祭事が開催されます。

⚫︎10月17日:神様の出発祭

出雲大社から神様が出発する日。

⚫︎10月26日:再度の神様の出発祭

出雲の国からの出発。

出雲大社で再び祭事が行われます。

⚫︎10月末:神様の帰宅

家庭では、お餅や作物を詰めたすいとんを供えて、帰宅する神様を出迎えます。

※日付は旧暦に基づいています。

※地域によっては行事の内容や日程が異なることがあります。出雲大社では旧暦に従い神々を迎える行事が行われています。

まとめ

「神無月」や「神在月」という名称は、日本古来の信仰に根ざしており、今日に至るまで神職者たちによって大切にされています。

出雲での神在祭に参加することが難しい現在でも、地元の神社を訪れて日々の感謝を捧げ、健康や安全を祈ることは有意義です。

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